ミスチルコンサートレポート ミスチルトップ かさこワールド

・「HOME」ツアーレポート:横浜日産スタジアム・2007.9.8
いや、もう、ほんと最高!
個人的にはHOMEアリーナツアーより、曲の構成がよかったので、
すごく聴きやすく、24曲まったく隙なし!という、最高のライブでした。
ここ数年のミスチルツアーの中でも、
かなりいいコンサートだったと思います。

<ここからネタバレ注意>
もう何度も感動のあまり鳥肌が立ち、
目に涙が浮かんでくるほど、じ〜んとくる素晴らしい演奏ばかり。
特に「彩り」「CROSS ROAD」「Any」「終わりなき旅」はやばかった!
感動もので、涙もの。
いろいろなことが走馬灯のように頭をよぎり、
曲が出た頃のこととか思い出したりして、心にしみいってくる。
でもライブを聴いて悲しいとか切ないとかそういう感情ではなく、
これからまた毎日の日常をがんがっていこう!って、
すごく明るい気持ちにさせてくれる。
それが最近のミスチルライブの特徴でもあるかなという気がします。

ではセットリストから。
アリーナツアーの流れをくみつつも、
大分、曲を入れ換え、非常に流れのよい曲順でした。

1.彩り
2.名もなき詩
3.星になれたら
4.シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜

5.CROSS ROAD(アレンジ)
6.Tomorrow never knows (アレンジ)
7.my life
8.ひびき
9.もっと
10.HERO

11.Imagine(カバー)
12.CENTER OF UNIVERSE
13.Dance Dance Dance
14.フェイク
15.Any

16.口笛(大合唱)
17.Sign
18.ポケット カスタネット
19.Worlds end
20.終わりなき旅
21.しるし

〜Encore〜
22.Wake me up!
23.innocent world
24.旅立ちの唄

第一部:オープニングの盛り上げ
1.彩り

アリーナツアーの時と同じく、ミスチル最高傑作の1つ、「彩り」。
アリーナツアーでの唐突でいきなりの失敗をふまえてか、
まだ体が温まっていない、ライブに馴染んでいない観客を馴らす入口として、
昨年のapfesでやったピアノ弾き語りではじまるバージョン。
このバージョン、ほんといいです!
そして2番でバンドが鳴らす!
ほんと素晴らしい出だしで、まさに「おかえり」「ただいま」。

それにしてもこの曲、ほんと素晴らしいんで、
多分21世紀のJPOPにおける最高傑作の1つといえると思うんで、
ぜひまだ聴いていない人はレンタルで、
アルバム「HOME」を借りて聴いてみてください。

2.名もなき詩
キタ!って感じ!!
「彩り」からの流れもすごくいい。
みんなが知っていて、でもすごい名曲で、
ライブのエンジンをかけるために、
出し惜しみせずにここで効果的に使ってくるあたり、
まんまとやられました!
6万5000人の大観衆の大合唱ですよ。

3.星になれたら
な、なんと!かなり古い曲を、しかも3曲目に!
まさかまさかの懐かしいメロディーに、
古くからのミスチルファンはうれし涙を流したでしょう。
いやー、ほんといいです。この曲。
そして今、聴くと確かに最新アルバム「HOME」に入っていてもおかしくない、
温かみのあるまさに「HOME」的曲。
うれしいですね。昔のアルバムから1曲でもやってくれるのは。

4.シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜
そしてオープニング盛り上げのシメはこの曲!
聴きたかった!
だって10年ぐらいツアーでやってないんじゃないかな。
でも大ヒットシングル曲。
久々の「シーソーゲーム」は快感!爽快!
にくい選曲、予想だにできない選曲。
でもファンの心をがっちりつかんだ選曲。
アリーナツアーとぜんぜん違うけど、いいじゃないですか!!

第二部:聴かせるしっとり曲
5.CROSS ROAD(アレンジ)

オープニングの盛り上げが終わって、
ここから観客を多少、休ませつつ、
聴かせるアルバム曲なんかを持ってくるのは、
いつものミスチルライブの流れなんだけど、
またも、まさかまさかの選曲、「CROSS ROAD」!
この曲もほんと久々じゃないかな。

そしてライブ用にアレンジしたバージョンが、
ほんと心にしみいってきてね、
「彩り」に続き、感動のあまり目に涙が・・・。

6.Tomorrow never knows (アレンジ)
そして惜しげもなく、また大ヒット曲。
ただ残念なことに、凝ったアレンジがされていて、
今回のライブの中では一番「なかったな」という感じ。
アレンジがもったいなかったけど、
でもこれまた予想外の選曲としかもこの早い段階での登場に、
心地良く口ずさみました。

7.my life
ちょっとここでMCが入って、
以前のツアーと同じ入りで「切手が62円だった頃」という、この曲を。
そんなわけで入りがかなりのネタバレな感じだったんだけど、
久々に聴くこの「my life」もほんと良かったな。
なんて「HOME」らしい曲なんだろう。
そして桜井さんがapfesが台風で2日間中止になってしまって、
「いいことばっかあるわけないよ」とこの曲のフレーズが、
頭を何度もリピートしたって話もうなずけるし。
過去のアルバム名曲をライブでやってくれることほど、
ファンにとってたまらないことはない!
ほんといい曲!!

8.ひびき
そして待ってました!「ひびき」。
ライブで一度聴いてみたかった。
シングルB面でB面曲集アルバム「B-SIDE」の代表曲ともいえる「ひびき」。
シンプルでやさしい感じなんだけど、
歌詞にはエッジが効いている部分もあって、
聴き心地が良いけど、奥深いというか。
いやー、この曲、シングルでも申し分ないですね。
そのぐらい名曲。

9.もっと
そしてここでアルバム「HOME」から1曲。
アリーナツアーでもこの曲やったんだけど、
CDで聴くよりライブで聴く方がすごいじんとくる。
6万5000人の聴衆を前に、
暗闇と静寂に包まれた中、ただ桜井さんの声だけがこだまする。
ほんとそれがいいんですよ。
心にぐさっとささる感じ。

いいですね。
彩り以外のこれまでの曲は、
すべてアリーナツアーのセットリストになかった曲だけど、
この「もっと」だけを残したのは正解でしょう。

10.HERO
そしてこの流れで「HERO」。
流れがすごくよかったから、すごくよく聴けた。
「HERO」はこれまで終盤のいいところで使われる傾向があったけど、
個人的には他の名曲の数々と比べると、
そんなにずしっとはこないんだよなと思っていた。
もちろんいい曲ですけど。
だからむしろこの早い段階で、
かつ第二部の聴かせる曲シリーズのシメって使い方が、
すごくしっくりきていて効果的で良かったと思います。


第三部:狂夜・激しいロック曲パレード
11.Imagine(カバー)

これもアリーナツアーに続き、ビートルズのカバー。
このカバー曲をやる必要があるのか微妙なところだけど、
ライブという長丁場で、ややもするとメリハリなく、
だらだらと続く単調な流れを断ち切るために、
ちょっと違和感あるけど、映像とうまく組み合わせて、
この曲をやるっていう、舞台転換的意味ではすごくいいと思います。
いよいよ別のシリーズがはじまるぞって構えられるんで。

12.CENTER OF UNIVERSE
そしてきました!「CENTER OF UNIVERSE」。
ここからの流れはアリーナツアーでも流れが良かった部分を、
そのまま残した感じのセットリスト。
「CENTER OF UNIVERSE」ってはじめは意外とテンポが遅いんだけど、
後半からどんどんテンポもボルテージもあがってきて、
閉塞された現代社会の叫びみたいなものを見事に凝縮した名曲。
だからライブでは欠かせない!
この曲聴く度に、桜井さんは天才だなって思う。
素晴らしい曲です。

13.Dance Dance Dance
「CENTER OF UNIVERSE」でテンポアップして、
そしてここからついに狂夜がスタート!
これもアリーナツアーからの流れ。
現代社会に絡み取られた中での肉体の叫びみたいな曲。
いい感じで一挙に観客を非日常世界へ誘ってくれる。

14.フェイク
そしてこの流れで絶対くるであろう、「HOME」から「フェイク」。
狂夜シリーズには欠かせないナンバー。
「HOME」的な温かみのあるふんわりとした曲だけじゃなく、
こうした激しいロックな曲があるからこそ、
ミスチルファンはやめられない。
まがまがしさというか虚飾の世界というか、
そうした現代社会の映し鏡的曲はライブでほんと盛り上がる!

15.Any
「フェイク」というまがいものから「そのすべて真実」へ。
狂夜曲シリーズを3曲でバシッと区切って、
一転して静寂から桜井さんの声のみが響き渡るような、
「Any」へと転換。
これもアリーナツアーからの流れだけど、
この「Any」もほんとやばい!
またしても涙があふれてくる。
すごく切ない曲なんですよ、この「Any」は。
そのたまらない切ない感じがなんともいえない良さがある。
ライブで聴く「Any」、最高です!

第四部:バラード〜狂夜〜そして壮大なるバラードへ
16.口笛(大合唱)

みんなで歌ってという大合唱バージョンの口笛。
ほんとは観客の声なんかいらないから、
桜井さんだけが歌ってくれればいいんだけど、
なんだろう、夏のスタジアムという環境がそうさせるのか、
こうした大合唱も1つの舞台転換としては有効かなと。

「口笛」も時々ライブでやるんだけど、
ライブで聴くとこれがまたいいんだな。
「子供の頃に夢中で探していた物が、
ほら今、目の前で手を広げている」ってところがすごい好き。
ここでまた感動のあまり泣きたくなる。
すごい前向きな詞。
やっとチャンスがめぐってきたって感じの。
それを後押ししてくれる桜井さんの歌声。
それがライブ会場に響き渡ると心に入ってくるんだよなー。

17.Sign
「口笛」からのいい感じの流れで「Sign」。
実はかなりの名曲で、これでレコード大賞もとったわけだけど、
なぜか不思議と影が薄い感じもするんだけど、
改めてこうしてライブで聴いてくるとほんといいですね。
この2曲はアリーナツアーにはなかった流れ。

18.ポケット カスタネット
そしてアルバム「HOME」からこの曲。
いやー、この曲、ライブには使い勝手がいい曲なんだな。
アルバムで聴くとそんなに際立った存在感があるわけではないんだけど、
これまたはじめはゆっくりとした流れなんだけど、
どんどんテンポが早くなり、狂夜的世界へと誘ってくれる。
おっ、またはじまるぞ!激しい曲が!と期待させてくれる、
つなぎにはすごくいい感じ。

ライブで聴くとかなりの大迫力もあるし。
ただアリーナツアーに来ていなかった人は、
シングル続きの流れで急にこの曲を持ってきた意図がわからず、
座っていた人もいたけど。

19.Worlds end
待ってましたのこの一発。
“世界”を語らせたらミスチルの右に出るものはいないって感じの、
世紀末的退廃感の中での“皮相上滑りの改革”ともいうべき、
一人一人がんばってこうって感じの素晴らしい名曲。
今の世界を表現しろっていわれたら、
この曲を流すのが一番いいんじゃないか。
「ポケット カスタネット」でとまどっていた人が、
「お、ここでこうくるのか」と気づいて結構あわてて立っていた。
ミスチル真骨頂、ライブで絶対聴きたい曲の1つです。

20.終わりなき旅
次第に終焉と迎えるこのライブにふさわしい流れ。
ちょっと桜井さんのギターソロのはじまりに、
いつもとは違った違和感があったけど、
壮大なバラードへ、ライブのエピローグを迎えるにふさわしい使い方。
そしてまたこの曲の歌詞の一文一句が、
ライブだとより骨身に沁みてくる。
ここで今日何度目かの感度の涙。
ミスチル最高!
こんな素晴らしい曲をありがとう!って感じ。

21.しるし
そして最後は「しるし」で締める。
流れよし、曲順よし、ここで「しるし」でしょってところで「しるし」が来て、
「終わりなき旅」で上がったボルテージを適度にさましつつ、
でも感動の余韻を残しながら、
みんなが知っている最近のシングル曲で終わらせるという、
非常にいい流れで、これでひとまず終わったなって感じで、
すごくすっきりした。

〜Encore〜
22.Wake me up!

アンコールに何持ってくるんだろう!
箒星かななんて思っていたら、
アルバム「HOME」からこの曲を持ってきてくれてすごくうれしかった!
アリーナツアーでもやらなかった曲で、
でも絶対ライブでやったら盛り上がるしいい曲だし、
聴いてみたいなと思っていた。
そんな観客の期待に見事にハマッた感じで、
アンコール一発目にしては最高潮の盛り上がりを見せたんじゃないかな。
ほんとこの曲、ライブ向き。
ぜひ今後もやってほしいなと思う。

23.innocent world
「Wake me up!」のいい流れを引き継ぎ、ここで来ました「innocent world」。
ライブで何回か聴いているけど、
こんなに見事に効果的な使い方ができ、
かつこんなにも最高潮に観客全体が盛り上がりを見せたのは、
意外とこの曲でははじめてなんじゃないかっていうぐらい、
すごい盛り上がった!
このタイミングとこの流れで見事ハマった!って感じ。
いやー、いいですね〜。
今日はほんとセットリストがすごいいい感じのせいか、
何を聴いても観客の反応がよくいい感じでした。

24.旅立ちの唄
そしてまた最後にやってくれました!
なんと未発表の新曲!!
アリーナツアーの流れからすれば「彩り」か「あんまり覚えてないや」
とかで終わるのかなと思いきや、うれしい誤算。
しかもミスチルがライブで、未発表の新曲やるって、
私の中でほとんど記憶がない。
まあ昨年、apfesでの「彩り」、Zeepツアーでの「フェイク」とかはそうだけど、
いわゆるミスチルのツアーで未発表新曲ってかなり珍しいんじゃないか。

そしてまたこれを最後にもってくるだけあって、
ホント素晴らしいんですよ!
はじめて聴くのにじんとくる。
早く発売が待ち遠しい!と思いつつ、
いち早くライブで聴ける喜びを胸に、
見事なまでのHOMEフィールドツアーは終演したのであった。

HOMEアリーナツアーのセットリストとレポートと見比べてみると、
おもしろいと思います。


・「HOME」ツアーレポート:横浜アリーナ・2007.6.6
ファンクラブの先行予約で外れたけれど、
とりあえずチケットなしで現地に向かい、
「チケット1枚ゆずってください」作戦で、チケットゲット!
(一般人からだったのですが、定価では買えずふっかけられたのは痛かったが)
コンサートレポートをお送りします。

このコンサート、一言でいうなら、
アルバム「HOME」ツアーではなく、これまでのベスト曲ライブといった感じ。
毎回コンサートに行っているファンとしては、
「HOME」の曲をもっと聴きたかったなという反面、
ライブで盛り上がるベスト曲を連発した、贅沢なライブでもありました。

・まずはセットリスト
1:彩り
2:and I love you
3:youthful days
4:箒星
MC

5:Another Story
6:もっと
7:いつでも微笑みを
8:PIANO MAN
9:ランニングハイ

10:イマジン(カバー)
11:CENTER OF UNIVERSE
12:Dance Dance Dance
13:フェイク
14:Any

15:to U
16:タガタメ
17:ポケット カスタネット
18:Worlds end
19:終わりなき旅
20:しるし

EC
21:あんまり覚えてないや
22:蘇生
23:彩り


「HOME」でやっていない曲は14曲中5曲。
「叫び祈り」「Wake me up!」「やわらかい風」「SUNRISE」「通り雨」。
アルバム「B-SIDE」からはなんと1曲もやっていない!
これはいいにしろ悪いにしろ、予想をくつがえす選曲だったんじゃないだろうか。
ま、それだけミスチルにはあまりに名曲が多すぎるということなんだろうけど。
では、細かくコンサートレポートを見ていこう。

<第一部:導入・盛り上げ4連発>
1:彩り

とにかくびっくり!
えっ、彩り一発目??うそ〜
正直、みなまだ体があったまっていないところに、
いきなにメインディッシュを持ってこられちゃって、
消化不良って感じがした。
なにも一曲目にもってこなくても!と思うのだが、
これはコンサート最後になって、その種明かしがわかる。
なんとラストにもう一度やるのである。

「彩りができた時、自分たちの活動の意義みたいなものが見出せた。
だからこの曲を、みなさんがずっとできるだけ長く、
明日から心の中で響かせてほしい」
とラストの彩り前の桜井さんのMC。
だからはじめと終わりに彩りをやったんだろう。
コンサート最後に聴く彩りは格別だったんで、
1曲目にやらなくてもな〜なんて個人的には思いましたけど、
とにかくはじめから出し惜しみせず、飛ばしていく感じはよかったです。

2:and I love you
これが一発目!って感じで、イントロはじまり、
アリーナに桜井さんの声がじ〜んと響き渡ると、鳥肌が立ってくる!
そのくらい、この曲は人の心を動かす感動的な何かがある。
前作アルバム「激しい感情をパッケージングしたアルバム」
というように、まさに激しい感情を込めたリズムと歌声が、
コンサートという非日常へと聴衆を誘い、
一挙に心を解き放ってくれた、そんな感じです。

3:youthful days
そして、この曲。
飛ばしっぷりと選曲が最高!
観客のボルテージは一挙にヒートアップ。
「勝手に体が動いてしまう」ようなそんなノリのいい曲。
会場全体が一斉に手拍子。
思えば、この曲がある意味では、最近のミスチルの転換的な曲になったのかもしれない。
明るく前向きでノリのいいリズムで、現代を疾走していくような。
ライブで聴くとまた最高!!

4:箒星
そしてここで来たか、箒星。
ちょっとyouthful daysと曲調が似ているだけに、
やや「同じような曲が続いたな」って感じもしたけど、
ほんとこの曲、実はかなりの名曲。
「HOME」では「彩り」がもちろん大好きな曲なんだけど、
時に「彩り」以上に「箒星」を聴くこともある。
これだけポジティブな曲調に振り切ったその爽快感は、
youthful days以上。

・MC
4曲ばっと飛ばして一段落のMC。
最近のミスチルライブはこのパターンが多い。
はじめの4曲、シングル級で固めて、
ある意味ではラストに近いような盛り上がり部分をはじめに持ってきちゃうっていう。
今回の4曲はなかなかよかったんじゃないでしょうか。

<第二部:聴かせるスローテンポなアルバム曲パーツ>
5:Another Story

4曲、導入でぶっ放して、次はやっぱりこの曲だろうと思ったら、
やはり来ましたこの曲。
いいですよね。アルバム「HOME」の中でも、
最も「HOME」らしい、あたたかな曲じゃないだろうか。
ツアーでこの曲を聴くのを楽しみにしていた人も多いはず。
ややライブにはそぐわないのかなとは思ったけど、名曲です。

6:もっと
そして、こういう曲が意外とライブではずしんとくる。
スローテンポで演奏がシンプルなものほど、
CDではあんまり聴かないんだけど、
どでかいライブ会場に歌詞が染み渡るように桜井さんの声が響き渡る。
まさに「もっと」はそんな感じだった。

7:いつでも微笑みを
「HOME」続きなのでここで変化球を1つ。
でも「HOME」続きのあたたかさみたいなものが続いていく選曲、曲順は絶妙。
意外とこの曲、アルバム収録曲にもかかわらず、
ライブの随所随所で重宝しているなという印象。
どこに入れてもすっと入ってくる、そんなささやかだけどいい曲。

8:PIANO MAN
やはり「HOME」から。
いやー、ほんとこれだけ特徴のある変化球があると、
アルバムもコンサートもバランスがとれていい感じになるんだなと。
アルバム聴いた時はすごい違和感を感じるし、
B面っぽい感じで一人でじっくり聴くような曲ではないんだけど、
こういうのが聴き込んでくると案外じわじわ利いてきて、
ライブで聴いてもいいですね。
これだけ「ふれてる」曲ってのは。

9:ランニングハイ
「PIANO MAN」でスローなテンポからややギアを入れた感じで、
そしてバシっとここで激しく盛り上がるこの曲を。
ミスチルライブの傾向として前作アルバムのシングルはわりとやるんですよね。
みんな今のアルバムばかり聴いてるから、
ライブで前作アルバム収録のシングル曲を随所随所にやってくれると、
すごくいい感じなんです。
しかしこの曲、いいですね。
ライブには欠かせない激しい曲。
激情を一挙に解き放つ、瞬発力のある曲。
やっぱこういう面があるからこそミスチルはやめられない。

<第三部:現代社会の狂夜から一つのゴールへ>
10:イマジン(カバー)

まさかカバーをやるなんてと意外だったけど、
イマジンが新たなパートの導入部となり、
社会的なメッセージを含んだ、
ミスチルならではの狂夜の世界へと誘ってくれる。
こういう切れ目がはっきりとわかる曲を入れてくれると、
見ている方も力の入れ具合がわかって聴きやすくなれる。

11:CENTER OF UNIVERSE
この曲を聴けるとは!
ほんと大好きな曲。
社会的メッセージを巧みに盛り込んだミスチル真骨頂ともいうべきこの曲が、
「HOME」ツアーで聴けるとは思ってもみなかったので、
すごくうれしかった。
映像もあいまってすごく説得力のある、
メッセージ性が強くパワフルなライブになり、
エネルギーを注入された感じになってうれしい。

12:Dance Dance Dance
そして久々じゃないかな。
はじめはテクノ?っぽいバージョンで、
後半から「花火」をばかんと一発打ち上げ、ライブはヒートアップ!
ライブに欠かせない曲。
ライブで何度聴いてもやっぱり盛り上がります、この曲は。

13:フェイク

そして待ってました。
そろそろかそろそろかと待ち構えていたフェイクがここで登場。
「HOME」では異彩を放つ作品になってしまっているけど、
エッジの聴いた社会風刺の効いた曲があってこそのミスチル。
ラブソングもいいけど、ミスチルの魅力って、
社会派的な曲にあるんじゃないかなと再認識させられた。
ライブでやってもいいですね。
妖しげで狂おしい欲望渦巻く現代って感じで。

14:Any
そして、意外といえば意外なAny。
でもこれ、このライブで一番よかったかもしれない。
なんかこの「Any」を聴かせるために、
CENTER OF UNIVERSE、Dance Dance Dance、フェイクで、お膳立てしたような。
まるで最新アルバムの中心曲であるかのような、
そんな素晴らしい存在感をこのライブで一際放っていた「Any」。

ちょうど桜井さんが小脳梗塞で倒れる前後の曲で、
そんなことを思い出しながら、
私自身も椎間板ヘルニアで突然入院を余儀なくされ、
なんとか直してミスチルライブに行きたい!と思っていたら、
小脳梗塞でライブが全部中止になって。
でも一夜限りのライブとニューシングル「HERO」引っさげて、
見事に復活を遂げたミスチル&桜井さん。
そんなことを自分の人生と、自分の当時とだぶらせながら聴いていたら、
この素晴らしいライブの「Any」を聴いて涙があふれてきた。
ほんと素晴らしかった。

<第四部:壮大なバラードへ>
15:to U

Anyのあまりの素晴らしさにここで一旦、終わるのかなと思ったら、
なんと今度は「to U」をやるというからびっくり。
残念ながらSalyuはこなかったけど、
ライブでミスチルが歌う「to U」ってはじめてだったので、
貴重といえば貴重なんだけど、
やっぱり聴いていて「ミスチルの歌とはちょっと違うんだな」
というような感想も覚えていた。
やっぱりapbankfesとかで歌うべき歌なのかな。

16:タガタメ
三部までは構成がしっかりしていて、
メリハリがついていたんだけど、
「Any」「to U」で一旦終わって、
アンコールになるんじゃないかとか思っていて、
それでもまだまだ続くように「タガタメ」がきたからびっくりした。
いやそれにしてもこの頃になると、
「このツアーは「HOME」ツアーじゃなく、ベスト曲ツアーなんだな」
と感じるようになる。
タガタメは大好きな曲だから意外にやってくれてうれしいはうれしいんだけど、
「HOME」で心構えをしてライブにのぞむと、
ちょっと違和感を感じるかも。

確かに少年犯罪とか陰惨な事件が最近でも起きていて、
でもその答えが「彩り」に到達したミスチルにとって、
「タガタメ」はややストレートすぎる感じをこのツアーではしてしまった。
ま、いい曲なんだけど。

17:ポケットカスタネット
久々に「HOME」の曲が。
これもCDだとすごく何度もよく聴くって曲じゃないんだけど、
こういうのをライブでやってくれるとスパイスが効いてて、
メリハリが利いてなんかいいんですよね。
っていうか、まだまだ曲やってるけど、
もうそろそろ終わりなんじゃないかと、時間が気になる。
なんかコンサートが終わってしまうのが怖いから、
自分でどこで終わるか計算して心構えしておかないとという、
心理が働くからだろうか。
ポケットカスタネットじゃまだまだ全然終わらないんだななんて、
妙に安心したりもする。
頭上にある映像スクリーンとあいまってすごくよかったです。

18:Worlds end
きた!なんと「Worlds end」!
「HOME」ツアーでははじかれちゃうのかな、
でも前作アルバムから何曲か選んでやるんだったら、
ぜひやってほしい曲だなと思っていただけに、
こうしてファンのツボを外さない選曲は実にうれしい。
ほんと、力のある曲。
数あるミスチルの曲の中でも5本の指に入るくらい、
すごく大好きな名曲。
みなぎる内なるパワーを全開にした感覚が、
桜井さんの動きとともに、こっちにも乗り移ってくる感じ。
ほんと名曲。

19:終わりなき旅
そしてこれまた意外な「終わりなき旅」。
ほんとベスト曲ツアーだな。
久々に聴いてほんと名曲だわなんて思う。
Worlds endからの流れもいいし。
ミスチルにはやっぱりこういう曲が似合うんだよな。

20:しるし
そっか、この手があったかと妙に感心する。
「彩り」やっちゃっても「しるし」があったかと。
ただ不思議なことに、「しるし」はYoutubeで聴きすぎたせいか、
その後、CDでもあんまり新鮮味がなくなってしまって、
ライブで聴いてもものすごい感動は私にはあまりなかった。
名曲に間違いないんだけど、これまでの曲が、
エッジの効いた、悲壮感もありつつの決意に満ちた曲ばかりだったからかな。
聴きざわりは文句なしにいいんだけど。

EC
21:あんまり覚えてないや

しるしでしめて、そしてアンコールへ。
「HOME」には欠かせない「あんまり覚えてないや」がここで登場。
この曲はぜひライブで聴きたかっただけに、
アンコール一発目でうれしい。
「HOME」ならではの曲。
なんかこう、ほっとするというかじんとくるというか、
ほのぼのしてるんだけど実は深いみたいな。
こういう曲がまさに桜井さんが求めてきた到達点なんじゃないのかな。
悲壮感とかネガティブな感情を入れずに、
明るくポジティブで前向きになれるような曲調っていうのを。

22:蘇生
そして最後はこれか!
イントロ(overtune)が流れてるところからもううれしくって、
最後にふさわしい曲で、みんなの手拍子が曲のはじまる随分前からはじまる。
蘇生――
マイナスからプラスへ。
ネガティブからポジティブへ。
そんなミスチルの大きな転換点となった曲。
この曲、聴いただけで気力が湧いてくるような、とってもうれしい曲。

ある意味では「彩り」的な曲といってもいいかもしれない。
「今度はこの冴えない現実を夢みたいに塗りかえればいいさ」って、
こんなすごい発想の転換というかポジティブシンキングはないわけです。
明日からの毎日を勇気づけてくれる、最高の曲を最後にありがとう!

23:彩り
と思いきや、最後にもう1つ、とっておきのものを。
一発目にやったけど、最後にやってくれる。
やっぱりこの曲でなきゃ、このツアーはどうやったって終われない。
やっぱりそのぐらいこの曲の存在感はすごい。
そして、蘇生みたいな壮大な次元ではなく、
日常の些細な次元で、みんな一人一人が、
社会をよくするためにできることを提示した、
実に素晴らしいメッセージ。

この曲の前の桜井さんのMCも素晴らしかった。
この曲を一人一人が胸に抱き、響かせることで、
社会ってすごくよくなるんだなって。
一人一人の積み重ねが社会を形作っているわけだから、
「戦争」とか「環境」とか大仰なテーマを語ることじゃなく、
日々自分が行っている「単純作業」が大事だってこと。

メロディも歌詞も素晴らしい「彩り」。
ちょっとやそっとじゃ、この曲を超える曲は出てこないんじゃないか。

「彩り」ではじまり「彩り」で終わるこのツアー。
ほんと一人一人に勇気と元気を与えてくれる素晴らしいツアーだった。

全体的に映像の演出が曲とあっていて素晴らしくよかった。
制作したCGでも、演奏している映し方でも、
ニュースなどの映像の使い方も、
すごくよく研究して、曲に違和感なく、
曲を惹き立てる見事な構成になっていて、
スクリーンの使い方も見事で、
ミスチルのツアーでこんなにも映像の演出がよかったのは、
はじめてじゃないかってぐらい、ものすごくよかった。

・2005.11.27 ミスチル・ドームツアー2005「I love U」 東京ドーム
行ってきました、感動のミスチル・ドームツアー2005「I love U」。
まずはコンサート全曲お知らせします!
※ほぼ間違いはないと思うのですが、一部うる覚えです。

1 LOVEはじめました
2 Dance Dance Dance
3 ニシエヒガシエ
4 跳べ
5 innocent world

7 言わせてみてぇもんだ
8 くるみ
9 CANDY
10 靴ひも
11 隔たり

12 ファスナー
13 Monster
14 CENTER OF UNIVERSE
15 ランニングハイ

16 抱きしめたい
17 ラララ

18 overture〜蘇生
19 Worlds end
20 Hallelujah
21 and I love you

アンコール
22 未来
23 僕らの音
24 潜水


今回はいつものコンサートより20分ぐらい長い感じがしました。
最新アルバム「I love U」からは「Door」「Sign」を除いて全曲やりました。
前作アルバム「シフクノオト」から若干少なかったかなという印象と、
そこそこのファンでも「何って曲だっけ」って知らないサプライズ曲がなかったのは残念でしたが、
曲数も多く、非常にバランスの取れたいい曲選だったのではないでしょうか。
ではここから詳細レポートを。

1 LOVEはじめました
一曲目がこれか!
いやーきっとみんな驚いたに違いない。
ライブでは中盤の激しい曲続きの場面で使われるこの曲が一番目とは。
でもすごくよかったです。一曲目の驚きとパンチがありつつ、なじんでいたし。
そんでもってよく考えれば、この選曲、なるほどと思える。
アイラブユーツアーのしょっぱなが「LOVEはじめました」なんて気が利いているじゃない!

2 Dance Dance Dance
いやー、これまた意外な曲だけど、これまたヒット!
昔は終盤盛り上がり曲の定番として使われていたけど、最近のライブでは姿を消していた。
ここに持ってきて、いきなり花火がドーン!
いやー、意外だけど素晴らしい!&懐かしい!

3 ニシエヒガシエ
この流れはとても自然な感じ。
それにしても随分飛ばしてるな。
もうしょっぱなから桜井さんが縦横無尽に左右を走りまくりで汗びっしょり。
いや、いいですよ。とっても。

4 跳べ
そしてここでやっと最新アルバムから曲登場!
この辺で観客にも安堵と期待とが交じり合った興奮が湧き出てくる。
昔の曲ばかりで最新アルバムは?と不安が出そうなタイミングでのこの曲。
最新アルバムのなかでも盛り上がれる曲。
いい歌です。しかし歌うには難しい曲だなと改めて思いました。

5 innocent world
そんでもってイノセントワールドか。つかみは完璧!といったセットリストでした。

6 言わせてみてぇもんだ
さて、しょっぱなが終わって中盤にこの曲。
前ツアーで「シフクノオト」でやらなかったアルバム曲。
今回は絶対やるだろうなと思ってここに持ってきたか。
この曲の前に長い前奏があったんだけど、ちょっと強引な持ってき方過ぎた感はあった。

7 くるみ
そして、このライブの中でも、一、二を争う素晴らしかった曲。
キーボードの演奏でしんみりじわりと歌詞が響くこの歌。
じ〜んときて鳥肌が立つ。
もうほんと素晴らしいですね。こういうのはライブでしか味わえない感動でしょう。

9 CANDY
10 靴ひも
11 隔たり

そして最新アルバムでおとなしめの曲3連チャン。
さすがに前半動き回って飛ばしただけあって、この辺のスローペースはいつものライブ通り。
CANDYはアルバムの中でもイマイチぴんと来なくって、ライブでも個人的にはぴんのこなかったけど。
「靴ひも」「隔たり」はいいですね。
特に「隔たり」。歌詞はエロなにそんなことを感じさせず、聞きほれてしまいます。

12 ファスナー
そしてここで一発、流れとしては自然だけど、予想外のファスナー。
個人的にはとっても大好きな曲。
流れとしては歌詞のエロさつながりと、これから激しい曲はじまるよというウォーミングアップ曲。
ただバックに流れていた映像は、前のライブでやっていた男の子と女の子の映像の方がはるかによかったな。

13 Monster
そして、きたきたきましたー!
ミスチルダークネス・ハードワールドのはじまりはじまり。
このモンスターを実にうまくライブに合わせて盛り上がり曲にしていた。
「ノックノック!」と何度も叫びまわるこの爽快感。
きましたね。ミスチルワールドが。

14 CENTER OF UNIVERSE
そんでもってここで、「CENTER OF UNIVERSE」!
まったく想定外だけど実にうれしい!
盛り上がりますね、この曲は。

15 ランニングハイ
さらに待ってましたのランニングハイ。
四次元収録、アルバムにも収録。
この曲はすごい曲ですね。この曲になって観客が一体となった。
みんな待ちに待ってましたって感じで。
すごい盛り上がれました。素晴らしい!!!

16 抱きしめたい
そして次はどんなハードな曲が続くのか!「Worlds end」か「光の射す方へ」か。
なんていろいろ想像していたら、あら?、桜井さん一人で弾き語り?そんなー
弾き語り抱きしめたいは素晴らしかったんだけど、
ハードな曲の連チャンで一挙にライブのハイライトを迎えるかという矢先にこの曲というのは、
ちょっと流れとしてはどうかなと正直思った。
ここから流れが読めなくなる。

17 ラララ
これまた意外な曲。せっかく名曲ぞろいの中からライブでは20曲ぐらいしか歌えないんだから、
何もこの曲をここでやらなくても・・・と思いつつ、これで終わってしまうのか、
とそろそろ終わりを意識し始める。

18 overture〜蘇生
そしてそしてやってくれました「蘇生」。
これまたうれしい!
この曲はミスチル100曲以上の中でもベスト5に入る名曲中の名曲で、
涙流しそうなくらい感動してしまう曲。
「今度はこの冴えない現実を 夢みたいに塗り変えればいいさ」って歌詞がほんといい。
心にしみる。人生をポジティブなものにしてくれる素晴らしい名曲です。

19 Worlds end
そして本日のメインイベント!待ってました!これが聞きたかった!
最新アルバムで文句なしのだんとつで素晴らしい曲。
ライブでぜひ聴きたかった曲。
今日のライブで1曲しか歌わないっていったら間違いなくリクエストするだろう一曲。
この曲は、すごい。やばい。よかった。
今度も歌い続けて欲しいです。

20 Hallelujah
そしてもう終わりかと思いきや、ハレルヤかー。
この辺になってくると観客が立ちっぱなしでいつもより長くって、
曲順も読みにくく、そしてハレルヤかーって感じで、曲は悪くないんだけど、
さすがにみんなアンコール前の終わりが見えずに疲れてきたのか、
サビでも手の振りとか拍手とかが少なかったな。

21 and I love you
そしてアイラブユー。間違いなく、これでアンコール前は終わりだという安堵と同時に、
この曲もぜひとも聞きたかった最新アルバム収録曲。
やっぱりいい曲はいいですね。当たり前だけど。
ライブで聴いていても、特にこういういい曲っていうのは、
やっぱり反応が違うし、感動も違う。
これでやっとアンコール前終了。
あと残るは「未来」と「Sign」ぐらいしか残ってないなって計算を無意識のうちにする。

アンコール
22 未来

そしてアンコール一発目。やっぱりきましたここで「未来」。
CDで聞くとそうでもないんだけどライブで聴くとすごくいい曲に聞こえました。
さすがシングル曲だなという感じはやっぱりありました。

23 僕らの音
おっ、最新アルバム曲でてっきり飛ばされた曲かと思いきや、ここでやりますか。
クールダウンで聞かせる曲。悪くはないですね。まったくもって。

24 潜水
そして最後の曲はという宣言があって最新アルバム最終曲のエピローグ的曲。
普段はこういう曲をアンコール前の締めに持ってきて、
アンコール最後は最新シングルで締めるって感じが多いので、悪くはないんだけど、
ちょっぴり残念な気がしないでもない。
この曲も非常にいい曲なんですけどで、シングルや「Worlds end」が持つ威力に比べると、
ちょっと弱いところはあって、それもあってか、せっかくラストで桜井さんがいい感じで歌っているのに、
規制退場で遅くなるのが嫌な連中が、最後がシングル曲でないということからか、
この曲でばらばらと帰りだすのが目に付いた。
帰る人も帰る人なんだけど、でも確かにこの曲が最後では仕方がないなという面もあるかもしれない。

ということで全曲レポートでした。
前半の意外曲は当たりまくりでよかったのでしたが、
後半のセットリストがアンコール含めて私的には違和感は残りつつも、
まあでももちろんミスチル・コンサートよかったです。
それに要所要所で過去の曲含めてしっかり聞きたい曲は聞けたというのもありますし。
さすがにドームツアーは人が多く入れるのか、ファンクラブ先行予約で、
最近外れまくっていたのになんなく当選し、後方とはいいながらもアリーナ席でした。
あんだけでかいと音響の面とか大変なんでしょうけど、
オークションで大金出して買う羽目になること考えると、
今後もでっかい場所でなるべく回数多くしてライブをやってほしい次第です。
ということでミスチルありがとう!

・Mr.Children Tour 2004 シフクノオト・コンサート 2004.6.13横浜アリーナ
アルバム「シフクノオト」を4月に発売し、ドラマ主題歌「Sign」を5月に発売したミスチルが、
桜井君の小脳梗塞でたった1回きりのコンサートから久しぶりにツアーを開始しました!
2日目となる横浜アリーナ−のコンサートレポートをお送りいたします。
まずは結構予想外だった曲順紹介から。

1.終わりなき旅
2.光の射す方へ
3.PADDLE
4.innocent world
<MC>
5.花言葉
6.口笛
7.抱きしめたい

8.Pink〜奇妙な夢
9.血の管
10.掌
11.ニシエヒガシエ
12.Image

(over ture)
13.蘇生
14.youthful days
15.くるみ
16.天頂バス
17.HERO

<アンコール>
18.Mirror
19.タガタメ
20.Sign

予想外だった点
・アルバム「シフクノオト」は1曲抜かして全部やるのかなと思っていたが、
「言わせてみてぇもんだ」「空風の帰り道」「Any」と3曲やらなかった。
・アルバム「IT'S A WONDERFUL WORLD」のコンサートは1回きりしかしていないので、
今回結構やるかなと思ったけど、意外に少なかった。
・その代わり「終わりなき旅」「光の射す方へ」「ニシエヒガシエ」という、
アルバム「DISCOVERY」のシングル3曲が今回も重宝された。

●しょっぱな
1.終わりなき旅
とにかくこのしょっぱな4曲は意外だった。
はじめの曲は一体何をやるんだろうと誰もが期待しているところで、
まさかエピローグ的なしめに使ってもいいような「終わりなき旅」とは予想外だった。
照明演出も凝ったことをせず、とりあえず「終わりなき旅」からはじまった意外な感じのまま、
でもいい意味で期待を裏切ってくれたことへの楽しさを感じながら、聞いた。
この曲、いいっすよね。

2.光の射す方へ
そしてまたもやここで来るか!という選曲に驚き。
ツアーでは非常に重宝されている曲で、
後半の盛り上がり部分や前回コンサートのようにアンコール前のしめの歌に使われた曲が、
ここで登場するとは。
しかも「終わりなき旅」「光の射す方へ」は最近のシングルというわけではないので、
とにかく意外だったが、その予想に反した選曲がとても楽しみを倍加してくれた。

3.PADDLE
そして「PADDLE」。
今回のツアー中心となるアルバム「シフクノオト」の代表曲がここで登場し、
観客の盛り上がり度は一挙に高まる。
しかもノリノリの曲だからボルテージも必然的にあがる。
いやーよかったですよ。
とりあえずしょっぱなアリーナ全体が一体化した曲がこの曲でした。

4.innocent world
そしてそして「きっとここにいるみんなが知っている曲をやります」という桜井君の掛け声とともに、
はじまったのがなんと「innocent world」!
これにもびっくりしましたね。
なんだかアルバム「シフクノオト」ツアーじゃなくって、
シングルヒット曲メドレーツアーでもやるのかと思ったぐらい。
やるならアンコールの時の1曲かなと思ったけど、こんなしょっぱなで持ってくるなんて。
いやいや惜しげもなくというか、コマが多いゆえに出し惜しみする必要がまったくないんだよなー。

<MC>
そしていつもよりちょっと早いMC。
「前半飛ばしまして」とやっぱり意識してメドレー的選曲を頭に持ってきたらしい。
MCはいつもより長く「初恋」の話。
高校時代から7年つきあった恋の話をするというこれまたびっくりだった。

●ラブソング3曲
5.花言葉
「恋」の歌をやりますといってしょっぱなに来たのがアルバム「シフクノオト」収録の「花言葉」。
シンプルでなかなかいいです。はい。

6.口笛
そして次に若干アコースティックなバージョンの「口笛」。
次も恋の歌というから「君が好き」か「抱きしめたい」か「くるみ」かなと思ったら、そっか「口笛」か。
なんか、予感はあった。
「くるみ」とかがなんとなく「口笛」を連想され、いいとこで使うんじゃないかなという気もしていた。
桜井君の口笛つきで、とてもしっとりとした聞き入れる曲でよかったです。

7.抱きしめたい
2曲で終わりかなと思ったら「抱きしめたい」が復活!
ほぼ毎回やっているので、そろそろやらなくなるかなと思ったけど、
きっと根強い人気があるんだろうな。
でもほんと、しょっぱなの手拍子がやめられないハイスピードな展開から、
こうして観客が一斉に立ち止まって聞き入ってしまう曲の連続というのも、
なかなかいいもんだなと思った。

●ミスチルワールドへ
8.Pink〜奇妙な夢
いつものコンサートパターンで、はじめとばして、次にラブソング。
そして本題に入る時は、アルバムの中でも一番アルバムっぽい曲から入っていく。
ということで予想通りの曲順。
でもほんとこういう曲をライブで聞くと聞き応えがあるんだよなー。

9.血の管
そして次が意外だったのがアルバム曲順通りの「血の管」。
スローテンポで非常に短い曲だったけど、
館内に桜井君の声が響き渡るのは最高ですね。

10.掌
そしてきたきた、ミスチルワールド本題突入!
シングル発売時に「ひとつにならなくていいよ」というこのキーセンテンスの歌詞を解説したが、
今回もこのような世界情勢ということもあってか、それを際立たせるかのように、
間奏を延ばして「それぞれの暮らす場所」「それぞれの愛する人」「それぞれの夢」と語りかけて、
「ひとつにならなくていいよ」と呼び掛ける、メッセージ性を強めた演出がよかった。

11.ニシエヒガシエ
そして最も演出に凝ったのがこの曲。
ほとんど曲の体をなしていなかったが、
天井に掲げられた4つの小さなスクリーンにテレビニュースがかちこち映し出されながら、
現代病的なデジタルサウンドでニシエヒガシエが続いていく。

12.Image
さあ、次は一体どんなハードな曲が来るのか。
それともメッセージ性の強い曲か。
「LOVEはじめました」かな「タガタメ」にいくのかなとか思っていたら、
予想外にここで前向きな曲に転換。
しかしファンでも「何っていう曲だったけ」というようなこの曲をうまいこと使ったな。
この曲をやる予感はすごくあって、桜井君が最近のインタビューで、
過去のミスチルの曲を聞いていて「Image」がすごくよかったっていってたから、
ひょっとしてやるのかなと思ったら、やっぱりやってくれました。
いいですよね、ほんとこの曲も。
壮大な人生のエピローグ的な感じが出ていて。

●ラストスパート
(over ture)
来ましたよ、来ましたよ。
前回アルバムの導入部分の音がならされ、もちろん次は「蘇生」でしょう!と。
絶対「蘇生」はやるでしょう。
しょっぱなに来るかなとずっと予測してたんだけど、ここで持ってきたか。

13.蘇生
その「蘇生」。 ほんとすばらしい曲。
多分ミスチル全曲の中でもトップ5に入る好きな曲。
非常に前向きな曲で勇気を与えてくれる。
明日からがんばろうって思える曲。
何かがはじまるといった予感を感じさせる、すごくいい曲です。

14.youthful days
そしてきっとこの流れで来るだろうと予想していたすばらしい流れがここで来た!
「蘇生」の次は絶対これでしょと思っていた。
このリズミカルな曲で、またも館内が無意識に一体になった。
疾走感のある、軽快感のある、非常にノレル曲です。はい。

15.くるみ
そして、来た!くるみ!!!
もう、この流れ、たまらんですな!!!
ラブソングなんだけど、ライブで歌うとすごく力強く響いてきて、
手拍子も忘れて茫然と聞き入ってしまう、実に奥深い曲だなーとあらためて思いましたね。
「抱きしめたい」や「名もなき詩」に匹敵する、いやもしかしたらそれを越えたラブソングじゃないかと思えた。
うんうん、すごくいいです。

16.天頂バス
さあて、このくるみでひとまず幕か、それともHEROで締めくくって終わりかと思っていたところに、
ここで来ました、アルバム曲でぜひ歌って欲しかった「天頂バス」。
くるみも良かったですけど、このコンサートの中ではこれが一番良かった。
見事な構成の曲。桜井君天才だなーと思ってしまう曲です。
ほんとこれいいです。今後もコンサートで重宝することでしょう。

17.HERO
そして予想通りの「HERO」で締めくくり。
僕はものすごく好きという曲じゃないんだけど、結構他のアーティストとかが、
この曲を絶賛してるんですよね。
桜井君も自分のテーマ曲みたいな形で非常に愛用している感があるなと思います。

<アンコール>
18.Mirror
アンコールのしょっぱな何をやるんだろうか。
順当にいけば「タガタメ」「Any」「Sign」の3連発で終わりでしょうと思いきや、
いつもコンサートでは必ず、ファンも「あれ、この曲なんて曲だっけ?」って思うような、
懐かしい曲をやってくれるんです。それが今回は「Mirror」でした。
こうして聞くととってもいいですね。
しかも深海に埋もれているからあまり聞かなくって。
余計、新鮮に思えました。

19.タガタメ
さあて次はなんだなんだと思ったけど、非常に順当。
「子供らを被害者に加害者にもせずに」の歌詞で有名な「タガタメ」。
観客は若い女性が7割近いわけです。
きっと桜井君の顔が好きで、ラブソングが好きなんだろうと思いきや、
この「タガタメ」が演奏されるや否や、今までとはまったく異質の拍手。
時代が求めている、時代が必要としている曲。
そんな感じがした。
まさに時代の映し鏡的曲で、誰もが聞き入っていた。

20.Sign
さて次はなんだ!と思ったら、きっと最後になるであろう一番新しいシングル「Sign」。
ミスチルコンサートの傾向としては、一番ラストに一番最新のシングルを持ってくることが多いような気もする。
「あれAnyは?」と思ったけど、ここでやはり終了。
しかし「Sign」も聞き応えがありますね。くるみなみに。
みんな手拍子を忘れて茫然と聞き入っている。
CDで聞くとおとなしい曲に聞こえるんだけど、ライブになると力強さが増す。
いや、もう大満足でした!!!

ちょっと曲数が少なかったのかなーとか、
前回やらなかった「one two three」とか「UFO」とかやるかなーとか、
もっと聞きたい曲もあるんだけどなーとかいろいろありますけど、
申し分のないコンサートでした。
ただ、前回の1度限りのコンサートという神性はなく、
普通のオーソドックスなミスチルスタイルのコンサートでした。

今回もファンクラブ優先予約で取れず、ヤフオクで1枚22000円で買いましたが、
惜しいとは思いません。
ただその後、9月の追加公演がファンクラブ予約で取れたのですが・・・。

ということでミスチルコンサート速報でした。


・2002.12.21 一夜限りの復活コンサート 今年、7月、小脳梗塞で予定していた40公演あまりを中止せざるを得なくなり、
年内活動休止宣言まで出したミスチルが思わぬ早期復帰となった!
しかもCMソングで12/11発売の「HERO」というCD発売復帰だけでなく、
なんと年内に一夜限りの復活コンサートで復帰ということでもう大騒動!
ファンクラブの先行予約も取れず、オークションもだめで、
それでもあきらめず、今日、雨の降る中、会場となる横浜アリーナへ。

僕の制限は35000円まで。しかしダフ屋はお話にならない。
最低でも50000円。しかしチケットはダフ屋50人いて今のところ1人しか持っていなくって、
そのチケットはアリーナだから150000円だともうまったくどうしようもない。

あきらめようと思ったが、せっかくここまで来たのだからと、
コンビニで赤サインペンを買うと、恥も外聞も捨てて、勇気をふりしぼって、
女の子グループやらにまぎれて「チケット売ってください」の紙切れをかかげて、
待つこと1時間半。なんと売ってくれる親切な人が現れ、
(定価でいいといってくれたがダフ屋に売れば高く売れるのだし、
上限35000円のつもりできたから、いちよ20000円ということで手を打った)
僕は夢の一夜限りのミスチル復活コンサートに入ることができたのだ!!
(ここまでの経緯はまた詳しくつぶやきにて掲載しますが、
とにかく今回はそのコンサートの模様をいけなかった人のためにレポートします!!)

特別なコンサートだと思っていたのは、桜井君とダフ屋だけだった。

メンバーもファンも、普段のコンサートと変わりなく、普通にコンサートといったスタンスに思えた。
それが僕の印象だった。 まあ考えてみれば解散コンサートではないのだから。
復活コンサート。桜井君の調子が良ければ、多分来年は40公演ぐらいやることになるんじゃないか。
だから「特別」という感じがしなかったが、 「一夜限り」と大儲けできるんじゃないかとうかれたダフ屋と、
病気からの復帰という意味で他のメンバーやファンとはまったく違う気持ちでのぞんでいた桜井君以外は、
まったく普通のコンサート雰囲気で、それがまた桜井君の感動を誘い、実によかった。

まずは全曲コンサート内容:
1.Dear wonderful world
2.CENTER OF UNIVERSE
3.NOT FOUND
4.名もなき詩
5.渇いたKiss
6.Drawing
7.つよがり
MC
8.君が好き
9.youthful days
10.ファスナー
11.Bird Gage
12.ニシヘヒガシエ
13.LOVEはじめました
14.ALIVE
15.終わりなき旅
16.光の射す方へ
アンコール(というより第二幕)
17.虹の彼方へ
18.Any
19.いつでも微笑みを
20.蘇生
21.It's a wonderful world
22.HERO

●選曲の総評
上記選曲を見ておわかりの通り、「一夜限りの」特別コンサートという選曲ではなく、
あくまでアルバム「It's a wonderful world」をひっさげたアルバムツアーができなかったけど、
復活したからそれをやりましょうという、アルバム「It's a wonderful world」を中心にした内容。
そうなったのも必然。だって昨年の夏にこれまでのミスチルを総括するようなツアーをやっているのだから、
またここでそのような「まとめツアー」をやったら、本当に解散コンサートみたいになっちゃう。

そう、一夜限りを強調するあまり、本来のミスチルの位置付けを忘れがちだが、
元気になったからこれまでどおり活動をはじめますよという意味から考えれば、
アルバム「It's a wonderful world」を中心にしたツアーは当然。
ただ正直なところ「一夜限りの」というのがどこかですりこまれていて、
もっと特別な何かがあってもいいのではないかとも思ったが、
それは通常価格で買えなかった僕の都合と、周囲の「プレミアムチケット」騒ぎのせいだろう。
逆にいうとアルバム中心のコンサートで、
「きっとまた来年、普通にコンサートをやってくれるな」と安心した。

●緊張
1.Dear wonderful world
桜井君登場!しょっぱなは何の曲だ!とみな注目したが、
アルバムのプロローグ的曲をもってきたのはアルバムツアーとして順当。
それよりなにより、暗がりにみえる桜井君の姿がいつもと違う?!んじゃないかとずっと凝視していた。
センター席(いわゆるアリーナ)の中央の超良席!(オークションで買ったら7、8万円はしただろうな)
とはいえ、46列目とあって桜井君の細かな姿まではわからない。

ただいつものコンサートには着ないような真っ白なジャケットに、黒のTシャツ。
そしてどうも髪型が違う。オールバックにしているのか、短髪にしたのか、後ろで結んでいるのか、
その派手な格好と髪型の違いが、布袋か吉川晃司かと思ったほど、なんか不良ぽい。
でもこうして桜井君が復活し、みんなの前で歌っていること、もうそのことだけで尊いというか。
だって小脳梗塞で年内活動絶望だったのだから。
もうそれを考えただけでも涙ですよ。

2.CENTER OF UNIVERSE
おおお!1曲目の「Dear wonderful world」はプロローグ的曲で短かったから、実質上の頭の曲はこれ!
うんうん、この曲はコンサート出だしかなんかにぱっと盛り上げるにふさわしい名曲。
コンサート「Q」の時には絶対にこの曲がしょっぱなだと思っていたが、
その時は第2幕目のスタートに起用したけど、やっぱりここでこうして使ってくれたか!
しかもステージ背景の3画面に桜井君の顔面アップが写し出されて、
その姿が見えたこともあって、一挙に盛り上がる・・・

鳥肌が立った。涙があふれてきた。ほんと泣きそうだった。
脳梗塞を乗り越えて復帰した桜井君の姿が、椎間板ヘルニアでちょうど同時期に入院して、
そしてその後、退職、フリー、中国取材、就職、ラスベガス取材と、
めまぐるしく復帰を果たした自分の姿とだぶってみえて仕方がなかったからだ。
夏の入院中は、絶望ということはないが、自分の体がいうことを聞かないはじめての体験に、
もどかしさと情けなさと悲しさを思っていた。
でもこうして年内に、互いにこうして復活し出会えたこと・・・
だから僕は涙が出そうになったのだった。

3.NOT FOUND
しかも続いて超ハードなエッジの効いた「NOT FOUND」を持ってきて、
前曲でもこの曲でも桜井君はギターを持ってるし、かなり激しくひいているので、
復帰しょっぱなから大丈夫かなとの心配がないわけではない。
でも「CENTER OF UNIVERSE」に引き続き、ノリにのれて、
しかも考えさせられる奥深さを持った、名曲続きに感動の涙。

ちなみにいつもと決定的に違ったのは髪型だった。
イメージとしてはカズか中田かみたいな、
短めででも中央がとさかみたいに立ち気味になっていて、
しかも茶色に染めている。む?ベッカムへアーか?
しかし短髪の桜井君はワイルドさがあってやっぱり格好良い。

4.名もなき詩
そして、ノリノリ2曲に続き、決定打!
ミスチルの名曲中の名曲「名もなき詩」。
感動は最高潮。ミスチルが、桜井君が帰ってきたんだと印象を強くした、
お馴染みでありながら、いつ聞いても素晴らしい曲。

●スローテンポ
5.渇いたKiss
このまま終わりまでノリノリ曲でぶっちぎるつもりじゃないのか?!
と思ったが、ここで一回クールダウン。
だいたいこのパターンもいつものコンサート同じ。
でも、でも、おとなしい静か目の曲でも、いやかえって、
桜井君のはりさけんばかりの声が大きな会場に響き渡る。
もしかしたら激しい曲の方が、バンドの派手さで桜井君のボーカルがごまかせるのではないかと思えるほど、
クールダウンの曲調とはいえ、その分より桜井君のボーカルに負担がかかることを感じる。

何か一言欲しいんだよね、帰ってきましたって一言が。
というのもなんか桜井君がぎこちない。
ひょっとして緊張?!
緊張した桜井君なんて見たことないだけに心配でならない。
きっと他のファンも同じ思いだったはず。
桜井君の声に聞き惚れながらも、どこか心配そうにじっと見つめるファンたち。
だから桜井君に曲にばあと行く前に一言しゃべって欲しいんだよね。

6.Darwing
引き続きスローテンポの曲。
シングルのB面曲なのだがアルバムにも収録された。
なんかこういった曲が、いわゆる一般受けするシングルの陰にありながらも、
何度か聞いていると「すごくいいな」と身に染みてくる感じでとてもよい。

7.つよがり
そしてスローテンポのクライマックスともいうべきこの曲。
桜井君のソロステージじゃないかと思えるほど、
桜井君が丁寧に心を込めて、いやいやそんな半端な感じじゃない。
自分の様々な思いを完全感情移入して歌いこんでいくその姿が、ある意味痛ましくもあったりして、
でもやっぱりミスチルには桜井君が欠かせないんだなという当たり前のことを痛感させられる。
ドラムやギターが病気になっても、とりあえずコンサートはできるだろうが、
桜井君なしではどうやったってコンサートは成り立たないのだから。
桜井君の存在感をあらためて思い知らさせる。

●MC
ここでやっとMCが入る。
思ったより元気そうなしゃべりで、でも「さぶい」ギャグを連発した空回りを、
「今日はフジテレビさんが入ってるんですけど、うまくカットしておいてください!」
なんて言いまわしで会場がどっとわく。
メンバー紹介も「僕が夏に頭がへんてこりんになってしまった時に、
連絡をくれた順に紹介」なんていってなんとも楽しい限り。
つまりそれだけもう「病気」が過去のものになった証拠。
このMCでふっきれたのか、緊張気味の桜井君はいつも通り、
のびやかに楽しんで、思いっきり歌い始めた。

8.君が好き
とっておきのラブソングをクリスマスバージョンでというので、
「抱きしめたい」かと思ったら「君が好き」。
それには好感。
というのも「抱きしめたい」はよい曲だが、必ずといっていいほど、
コンサートの6、7曲目あたりで出てくるので、
もっと違う曲を聞いてみたいという願いがあったから。
MC後の桜井君の歌声はがらっと変った。
いつものコンサート通り、のびやかで自由で、
力の入れ具合や抜き加減などのメリハリが効いていて、
これでほんとに桜井君復活だなと思った。

9.youthful days
聞いたことのない前奏に「ひょっとして新曲?!」と思わせて、
あっ!と聞き覚えのある前奏に変って、近年でもミスチルの新境地的最高峰ともいえる、
「youthful days」に、はじめて会場とステージとが一体となった。
この曲の持つ威力にあらためて関心させられる。
コンサートって、こうしていつもCDで聞いている曲の「見直し」みたいなことができるので楽しい。

10.ファスナー
この曲は個人的にすっごく好き。
曲にしても詩にしても力の抜き加減とシンプルなリズミカルさは天下一品。
ラブソングでもなく社会派曲でもなく、壮大なる人生バラードではないんだけど、
ウルトラマンだのファスナーだのっていうユニークな歌詞が、
なんというか「音楽の楽しさ」みたいなことを教えてくれる。
なのでスクリーンにもこの曲に合わせて、おもしろい映像を作成していた。
小さな子供同士のキスシーンから、男の子の妄想の夢へとうつっていく映像は、
曲と合っていて非常におもしろい。コンサートならではだよな。こういう演出は。

11.Bird Gage
ミスチルにもこういうハードな面があるのだなと再確認させられる曲だが、
必ずアルバムにはこういう位置付けなる曲が入っていて、
コンサートではこういった曲を転機に、曲調をがらっと変え、
一挙に盛り上げる手法には欠かせない。
(前作「Q」のスロースターターがまさしくこの役目だった)

●ハイテンション
12.ニシエヒガシエ そしてきましたきました。
最近のコンサートで必ず盛り上がる曲となったニシエヒガシエ。
シングルで出たときにはデジタルサウンドを色濃くしたあくまでお遊び曲ではないか、
と思っていたが、これがなかなかコンサートには欠かせない曲にまで成長した。
(光の射す方へもしかり)
前回のポップザウルスバージョンで、CD収録とは違えて、
はじめはバンドの演奏を極力抑えて、桜井君も必ずしも音通りに歌わないんだけど、
それが妙なシリアス感が出て、そんでもってサビ〜2番になるとCD収録と同じ演奏になって、
一挙に盛り上がるという仕組み。
わかっていながらこのパターンいいですよ。
しばらくコンサートでは定番コースになりそうだな。

13.LOVEはじめました
そしてそしてきましたきました。アルバムの大きな目玉曲というか問題作。
でもこの曲は絶対に欠かせない。この「毒」があるからこそ、
ミスチルのミスチルたるゆえんがあるといっていいほど。
当然ここに組み込んでくるだろうなと思ったらやっぱりこのタイミングでこの曲が来た。

しかもこの曲を力強く桜井君が熱唱していたことが印象的だった。
復活コンサートということで、さしさわりのないラブソング中心とかになるのかとも思ったが、
毒づいたこの曲を、多分最も力を込めて歌ったのではないかと思えるほどだった。
うんうん、これでこそミスチル。
「まずはおまえらが死刑になりゃいいんだあ!!!」なんて強烈に歌うあたり、
桜井君の完全復活!といっていいんじゃないか。

14.ALIVE
ほんと久しぶりのこの曲は、意外にもミスチルファンじゃなくても、
「この曲が一番好き」という人が多い。
この曲っていうのはどちらかというと、売れに売れる状況下で、
マスコミに煽られた「虚像」になってしまった桜井君が、
「馬鹿げた仕事終え・・・全部降りたい」という活動休止宣言ともいえる象徴的な曲なんだけど、
こうして時期を違えて聞くと、それはまた違った意味に聞こえてくるから不思議だ。

そういうマイナス志向的な曲というより力強い印象を受ける。
「全部降りたい」と活動を一時休止していた桜井君が、
今度は逆に仕事がしたくてしたくて仕方がないのに、不慮の病気で活動休止せざるを得なかった後の、
この「ALIVE」の意味は、完全プラス志向の「蘇生」の表裏として、より曲の存在感を増した。
ようはすっごくいい曲ってこと。

15.終わりなき旅
そして続けて壮大なる人生バラードへ。
一歩一歩踏みしめていく人生みたいなものが、
不慮の病という新たな体験をしたことによって、その詞の意味がすごく重く思えてくる。
頭でわかっていた人生観を実体験で経験した後だからこそより深く理解して歌えるみたいな、
桜井君の病気は、明らかにアーティストとしてのレベルを成長させたのではないか。
そんな風に思っていると、またつい自分の今年のヘルニア体験とシンクロして、
ここまで無事にたどりついたことを思うとまた涙が出てくるし、
そしてまた強く人生を踏みしめていこうという決意を新たにさせてくれる。

16.光の射す方へ
この曲もほんとコンサートには欠かせない重要な曲に成長した。
ニシエヒガシエと同じで、ちょっとしたお遊びデジタルサウンドを取り入れた曲だと思っていたが、
この曲の突き抜け感はコンサートの要衝をしめるようになった。
ニシエヒガシエと同じく前回ツアー「ポップザウルス」の演奏方法。
一挙に盛り上がり、最後まで突き抜ける感じで、
ここで華々しく「え?もう?」と思うが、きりのいいところで、
一旦ミスチルメンバー引き上げる。

●アンコール
アンコールというより第二幕スタートといった方がいい。
だってまだあの曲もあの曲もあの曲もやってないじゃないか!

17.虹の彼方へ
桜井君がギター1本でアンコールのプロローグ的に持ってきたのが、懐かしいこの曲。
コンサートツアー「空」(もうそれこそ今から6年ぐらい前か)の時のオープニング曲だったこともあり、
アルバムでも1曲目に来ていて、プロローグにふさわしい。
しかもギター1本のアコースティックバージョンというべき演奏が、
また新たな魅力を提示してくれる。
さあさあまだまだ曲をやってくれるよ!と期待させる貴重な演出曲となった。

18.Any
これこそまさしく最高の涙の場面。
だってこの曲を最後に、桜井君は入院することになって、
しかも自分が病院でテレビを見ながら流れるこの曲に励まされたというほど、
思い出深い曲なんだけど、それとまったく同じで、
僕もこの曲を入院中に何度も何度も聞いた。
ミスチルコンサートを楽しみに退院の日を夢見て、
寝たきり入院をしていた時に聞いたという想いが、涙を誘わずにはいられない

19.いつでも微笑みを
はじめアルバムの中ではそんなに存在感を感じなかったが、
「もし僕がこの世から巣立って逝っても」という実に意味深な歌詞と、
トータルとして「いつでも微笑みを」というプラス志向が、
実は桜井君が最も伝えたいメッセージのつまったキーとなる曲ではないかと、
聞くたびに思っていたのだが、その通り、コンサートでも実に重要な場面で使われた。
この曲がこんな力を持つとは思わなかった。

20.蘇生
でもでもでも、僕がどうしても聞きたかった曲。それが「蘇生」。
この曲タイトルほどすべてを物語っているものはないし、
またこのどうしようもない世界をプラスにしていこうという、
「マイナスからプラスへ」というメッセージを、
悲壮的にではなくすごく前向きに明るく取り入れたこの曲こそが、
すごく力を与えてくれるからなのだ。
感動で涙涙だったが、この曲の場合はそういった感傷よりも、
「がんばらなくっちゃ」と勇気付けられるを通り越して、
「自分でも何かができるんだ!」みたいな強い後押しになる。

「この冴えない現実を夢みたいに塗り替えればいいさ」

すべてはこの歌詞に尽きる。
北朝鮮が日本に核をぶっぱなすかもしれないし、
アメリカバカのイラク攻撃で世界各地がテロの嵐になる恐れもあり、
せっかく官僚の怠慢を廃すためにまとめあげた道路公団民営化案が、
げてものうわぬり厚化粧扇ババアによって形骸化されようとしていて・・・
なんて今のどうしようもない社会状況の中で、
だったら自分が変えればいいじゃないかって言葉を、
これだけ明るく前向きにいえるってことに強く打たれる。
このフレーズを聞いて「今日はこのフレーズすべてのためにあったんじゃないか」と思えたほど。

21.It's a wonderful world
そしてエピローグ。あくまでこのアルバムツアーの締めのけじめ的存在で、
もちろんトリは最新シングルでしょう。

22.HERO
最新シングルで復帰をとげた思い出深い曲になるであろうことはもちろんだが、
この曲を歌い終え、すべての曲を歌い終えた後、
最後に桜井君がどうもすごく感無量になったらしいことに、気づいてとまどった。
ファンもメンバーもいつもと変わりないコンサートだったけど、思えば桜井君にしてみれば、
一時期、もうそれこそ歌うこともステージに立つこともできないんじゃないかと思ったほどの、
病気になっていて、その復帰はじめてのステージだったのだから。

それを「本当にありがとう」といった言葉は、
つまりファンあっての桜井君であり、メンバーあっての桜井君なんだけど、
実はそうじゃなく、みんな桜井君を待っていた。
ファンもメンバーも欠かすことのできない大事な存在ではあるが、
結局、君(桜井君)がいなけりゃ、何もできないんだってことに、桜井君が気づいたんだと思う。
それがくしくも復帰後のシングルタイトル「HERO」という言葉と重なったからこそ、
一挙にその感動が桜井君の胸にこみあげてきたのだろう。
そう、君こそがみんなの「HERO」なんだよってことに、
多分桜井君自身がはじめて気づいたんじゃないか。

もうほんと最高!!!
完全復活おめでとう。
今回いけなかった人も、きっとすぐにコンサートを聞けるよ。


・"POP SAURUS"(2001.8)
<1>
全国15ヶ所、全野外ステージで行われるミスターチルドレンのコンサート。
2枚組のベストアルバムを引っさげて、アルバムツアーではないコンサートが展開されている。
8/25、千葉マリンスタジアムに行ってきたので、その模様を速報しよう。

ミスチルのオープニングは凝っている。「凝っている」というのはお金をかけて盛大にやっているというより、
オープニングにふさわしい映像と共に、オープニングにふさわしい曲をどのツアーでも持ってきているということだ。
前回2000年「Q」ツアーの「その向こうへ行こう」、前々回1999年「DISCOVERY」ツアーでの「DISCOVERY」など、
コンサートの出だしにふさわしいプロローグ的な曲をオープニングの演出と共に歌って盛り上げていく。

そういう意味では今回のオープニング曲は意外だった。
アルバムバージョンの「I'll be」を持ってきたのである。
シングルカットされたバージョンの「I'LL BE」ならあり得ると思ったが、
壮大なスケールのスローバラードを一発目に持ってくるとは。しかもベスト盤にも収録されていない曲をだ。

僕にとっては一番好きな曲だが、これには大観衆も意外だっただろう。
しかしその意外な選曲の効果は抜群だった。
まるでつぶやくような桜井君の歌声が、広い野外のスタジアムにこだました。最高だった。

その後の曲構成はベスト盤を踏まえつつ、今までのミスチルの集大成というように、
古いアルバムから順に曲をセレクトして歌っていった。
「君がいた夏」「LOVE」「星になれたら」「車の中でかくれてキスをしよう」そして「抱きしめたい」でしめる。
最近のミスチルにはない初々しさとポップな曲調が、ミスチルの魅力の幅の広さを見せつけた。

<2>
観客が「抱きしめたい」に聞き入って静まりかえったところで、新たなる幕が切って落とされる。
今やミスチルのコンサートでは絶対に欠かすことのできなくなった曲「Dance Dance Dance」が、
アルバム「Atomic Heart」のオープニングと共にスタート。
「Round about city」「ニシエヒガシエ」「光の射す方へ」と続き、最大級に演奏のボリュームを会場一杯に響かせ、
ノリのいい曲で観客のボルテージは最高潮に達する。
桜井君の表情も初期ポップ作品を歌っていたにこやかな表情から一変。
虚像を背負ったロックンロールスターとして、狂いまくり踊りまくって歌い続ける。

会場の興奮がマックスに達したところで、まるでそれを嘲笑うかのような、地を這うような海面の音。
そう、アルバム「深海」のオープニング曲が、静かに人の心に沈み込んでいくかのように鳴り響いていく。
レコード大賞を取り、出すシングルが売れに売れまくり、アルバムが300万枚売れ、
一挙にスターへと上り詰めた、その圧倒的な虚しさを、
これでもかといわんばかりに内省的に作り込んだ問題作「深海」ワールドへと突入する。

「シーラカンス」「手紙」「マシンガンをぶっ放せ」そして「深海」で、「深海」ワールドを終わりにさせると、
コンサートのしめにふさわしい、桜井君の最も愛しい曲であり、悩みに悩んだ末の一つの答えであるかのような曲、
「Tomorrow never knows」「Hallelujah」「花」で終幕を迎える。
まさしくこのコンサートはミスチルの、いや桜井君のこれまでやってきた音楽活動の集大成的構成なのだ。

しかしもちろん、ここでコンサートは終わらない。アンコールである。
まだやり忘れた曲が何曲か残っているではないか。集まったファンは知っている。
その期待に応えるかのように、桜井君は当然のようにアンコールの一発目は何の前フリもなしに、
「everybody gose」をはじめるのだ。この曲もすっかりコンサートではなくてはならないものとなった。
この曲がはじまっただけで観客のボルテージは一挙に上がるのだ。

<3>
そしてアンコールの二曲目は?
このところ欠かすことのない名曲中の名曲「名もなき詩」かと思いきや、久しぶりにあの大ヒット曲「inocent world」だった。
意外にもこの曲は、2000年「Q」ツアーにも1999年「DISCOVERY」ツアーにも1996〜7年「regress or progress」ツアーでも歌われていなかった。
いや桜井君の心中を知っているものにすれば、この曲を今まで歌ってこなかったことは、それほど意外なことではないかもしれない。
まさしくこの曲がミスターチルドレンにとっての大きな転換点となったのだから。

「inocent world」がファンの前に帰って来たことが、内省的な深く暗いトンネルを抜け、
そしてプライベートな面でも再婚を果たした桜井君の「復活劇」なのかもしれない。
今までの憑き物が取れたかのような自由さを取り戻した桜井君。それは最新アルバム「Q」を聞いてもわかるだろう。

これで終わってもおかしくなかったコンサートに、最後に素敵な曲がファンにプレゼントされる。
もしかしたらミスチルの曲の中でも最も知られていない曲の一つであろう、
シングルのカップリングでアルバムに未収録の「独り言」をメンバー4人だけで演奏。
そして最後に、お馴染みとなったサブのメンバー3人が加わり、最新シングル「優しい歌」で終わった。
なんとも粋なはからいのアンコールだった。

ミスターチルドレンの集大成的コンサート「POP SAURUS」。
はじめの曲が始まる前のオープニングの映像は、何もかもつめ込もうとしたためか長く無意味な印象を与え、
今までの明確なコンセプチュアルアルバムのアルバムツアーとしてのテーマ性を感じることはできなかったが、
それ以外は文句のつけようのない選曲と構成であったように思う。

それにしても2時間半全22曲を演奏したコンサートだったが、
それだけではミスチルのすべてを語ることはできなかった。
名シングルの数々、「名もなき詩」「口笛」「NOT FOUND」も、「CROSS ROAD」「シーソーゲーム」「es」も、
「Everything it's you」「終わりなき旅」もやっていないのだから。
それだけこのバンドのモンスター性を改めて再認識させられた一夜だった。