ミスチルの新曲が1月から日清食品ならびにポカリスエットのCMで流されているのに、
未だ発売日未定で待ち焦がれている中、
桜井君がボーカルをつとめるBank BandのライブDVDが本日発売されました。
全18曲のライブ映像。いやーほんと、すばらしいです!
ミスチルとは違った形で桜井君の歌を、音楽を楽しめる、聴けるってすばらしいですね。
昨年Bank BandのCDアルバムが発売された。
基本的にはカバー曲。しかもかなりレア曲ばかり。
はじめて聴く曲、あまり聴きなれない曲を、
CDという耳だけではじめて聞いた時、ちょっと違和感があった。
桜井君が自ら作ったミスチルの楽曲のような、ボーカルと曲との一体感があまり感じられない。
まあ桜井君自身が好きだからもちろん聴いていたけど、
圧倒的にミスチルのアルバムを聴く比率の方が高くなってしまう。
しかしね、このライブ映像みて、ああ、このBank Bandの演奏してる楽曲を聴くのは、
CDという耳からのみの情報じゃなくって、ライブとしての映像と臨場感があって、
はじめてそのすばらしさがわかるんだなと見直した次第です。
CDなんかで聴くより、このライブ映像で聴いた方がよさが数倍になります!
しかも、CDアルバムに収録されていない曲もライブでやっていて、
「空席」真島昌利
「生まれ来る子供たちのために」オフコース
「昨日のNO、明日のYES」GAKU-MC
「ストレンジカメレオン」the pillows
「歌うたいのバラッド」斉藤和義
また、それが際立ってすばらしいんですね。
まああまり聴いたことのない曲のせいか、桜井君自身の曲みたいに見えるぐらい、マッチングしてる。
強いていうなら、バンドの設立背景からメッセージ性の強い曲が多く、
また昔の曲が多いので、歌詞がダイレクトすぎちゃって、
逆に気になるみたいな部分はあって、
その点、ミスチルのような巧みな歌詞がリズムに乗って、
何言っているかわからないぐらいメロディーとして耳を流れていくんだけど、
歌詞をよくよく読んでみると深いなみたいな、そういうものはない。
でもそんな些細な部分を吹き飛ばすぐらい、
歌い手桜井君の力強さ、演奏の力強さ、歌の力強さが、
CDのレコーディングなんかとは違ったライブという場ゆえに、
ダイレクトに伝わってくる。
ほんといいです。このDVDは。
ミスチルの場合はむしろ逆なんです。
CDとライブDVDどっちで聴く方が音楽としてすっと耳に入ってくるかというと、圧倒的にCDなんです。
完成度が違う。
もちろんコンサート会場で聴く本当の生というのはすごいんだけど、
ミスチルのライブDVDからは生のよさは伝えにくいし、CDのような完成度がないから聴きにくい。
そんなわけでミスチルの新曲がいつ発売されるか未だに未定なので、
しばらくはこのBank BandのDVDで音楽を楽しませてもらいます。
CDより絶対おすすめですね。
別に映像みなくってもいい。
ライブの力強い音を耳で聴いているだけでもすごいです。
それともう1つ付け加えるならば、プロデューサーではなくプレイヤーとしての、
小林武史はすごいなということ。
マイラバのコンサートで2度ほど聴いているけど、
あらためてこのBank Bandの演奏風景を見るに、
小林武史の演奏はすごいなあとあらためて感心してしまいます。
・沿志奏逢 Bank
Band(2004/10/20発売)
ミスチルの桜井君とプロデューサーの小林武史が中心となって、
新たに作ったバンド「Bank Band」。
その名の通り「ap bank」という環境にやさしい企業に融資するという活動の一環ではじめられたバンドだ。
ちょっと活動があまりに複雑かつ専門的に過ぎ、
新聞で紹介されてしまうぐらい、経済性により過ぎた側面があって、
一般ファンにはなじみにくい活動ではあるが、
私はその活動に賛同するとかしないとかではなく、ただ純粋に好きな桜井君の声を聞きたい思いで、
「Bank Band」のファーストアルバム「沿志奏逢」(そうしそうあい)10/20発売を購入した。
すべてカバー曲。
下記が収録曲と原曲の歌手名だ。
1・僕たちの将来/中島みゆき
2・カルアミルク/岡村靖幸
3・トーキョーシティーヒエラルキー/ヒートウェイブ
4・突然の贈りもの/大貫妙子
5・限りない欲望/井上陽水
6・マイ ホーム タウン/浜田省吾
7・糸/中島みゆき
8・HERO/Mr.Children
9・幸福のカノン/さねよしいさこ
10・優しい歌/Mr.Children
11・歓喜の歌/遠藤賢司
ボーナストラック
12・僕と彼女と週末に/浜田省吾またはイメージの詩/吉田拓郎
・全体印象
非常に微妙だな。
私は大変ミスチルが好きで、ミスチルが好きということは桜井君が非常に好きで、
マイトリルラバーも好きだから、ここに加わっている小林武史にも興味があるし。
そういった観点から発売と同時に買ったわけだけど、
ミスチルファン、桜井ファンが満足できるか、
また、そうではない人にもすすめられるかというと、私はノーだと思った。
ある一定程度の意義はあるけど、多くの人が買って聞くアルバムではない。
選曲が実にしぶくマニアック。
ほとんど原曲を知らない。
たとえば歌はいいのに歌い手がスマップのようなくずでせっかくの歌が台無しみたいな、
そういう世間に広く知れ渡っている歌を桜井君が歌うということによって、
その曲が生まれ変わるみたいな、そういう有名曲の選曲がまったくない。
かといってすごく知られているわけじゃないけど、そのファンの中では名曲として知れ渡っているという曲も、
中島みゆきの「糸」ぐらいで、あとはどうかな。
とにかくカバー曲の選曲がマニアック過ぎて、聞きにくいという難点がある。
また逆に曲自体が知られていないことを利用して、
まるで桜井君のオリジナルアルバムみたいな再生の仕方になっているかというと、
やっぱりカバー曲って感じがもろしてしまって、
下手をすると「桜井君のカラオケ」収録曲になりかねない。
ただ聞けば聞くほど味のある曲もこのような曲には多分に含まれているだろうから、
まだ聞いてから1週間しかたっていない状況でどうのと判断する気はないけど、
たとえばミスチルの新曲だったらファンでなくても、
「この曲いいじゃん」みたいなことにはまずなりにくいだろうな。
そういうことを作り手は見透かしてか「限定30万部」と限定生産で煽って、
「予約しないと買えない」と脅して、私も予約したんだけど、
実際には予約しなくても結構、店には余っていたようだ。
多分、ミスチル嫌い、桜井嫌いの人には格好の批判材料を提供してしまった感はあるが、
私にとっては、このアルバムがいいか悪いかは別として、
桜井君がミスチルを離れ、自分の作詞作曲した曲を離れ、
まったく違う歌手の曲をカバーして、まったく違うバンドで歌うことは、
今後のミスチルの活動や楽曲作りに絶対にプラスになるだろうという意味では、
非常に「いい」アルバムだったのではないかという気はする。
それともう1つ。
中島みゆきを聞きなおしたり、井上陽水を聞きなおしたり、
「カルアミルク」の原曲をつくった岡村靖幸を聞いてみようかとか、
桜井君を介して音楽が広がるという意義もあると思う。
あまり期待せず、「カルアミルク」よかったなあとか「トーキョーシティーヒエラルキー」よかったなあとか、
そのぐらいのちょっとした発見程度の期待であれば満足はできると思う。
ということで、特にどうしてもという以外の人におすすめできるものではないが、
どんな内容なのか、簡単に紹介しておこう。
1・僕たちの将来/中島みゆき
アルバムのはじめの曲ということもあり、はじめ聞いたとき、極めて違和感があった。
桜井君のボーカルと曲があっていないような気がしたのだ。
よくいえば「丁寧」に歌っているということになるのだが、
どちらかというと、合わない曲をこわごわと歌っているように聞こえた。
でも何度か聞くうちにこの曲がすっと入ってきた。
やはり中島みゆきという天才肌の作った楽曲の完成度の高さが物をいっているのだろうが、
日常性にある一つの物語からバックグラウンドに感じられるメッセージ性のある歌詞、
アコースティックな見事な演奏、そして桜井君の声が、だんだんと合ってくる。
いいですよ、とても。
私は中島みゆきは結構好きなので、
原曲をぜひ聞きたいと思うが、なかなかなくって、現在、探し中。
2・カルアミルク/岡村靖幸
これが圧倒的にいい。
それは皮肉なことに他の曲とは選曲の基準が違うから。
桜井君が好きで歌いこんでどうしても入れたかったから。
やっぱりそういう曲は他の曲とはまったく違って聞こえる。
どうせなら、そういう基準でカバーを選べば良かったんじゃないかという気がしないでもないんだけど、
それは桜井君ソロのカバーアルバムでもないし、ミスチルのカバーアルバムでもないから、
どうしても「ap bank」という縛りが逆に楽曲のできを低下させているような気がしないでもない。
3・トーキョーシティーヒエラルキー/ヒートウェイブ
これも非常にいい。
現代的なテーマで歌詞にアイロニーが含まれていて、
桜井君にぴったりはまってる感じ。
語るようなボーカルと歌詞が非常にマッチングしていて、
今後の桜井君の音楽活動に参考になったに違いない。
この方向性での曲、ありですよ。ミスチルでもソロでも。
4・突然の贈りもの/大貫妙子
1、2、3と来て、4曲目は何度聞いても飛ばしてしまう。
なんだろう。思うに、基本的に女性歌手のカバーが桜井君にあってないんじゃないかという、
根本的な問題もあるかもしれないけど、
あんまり起伏のない曲が桜井君には苦手なのではないかということもあり、
曲そのものが自分自身が気に食わないからなのかもしれない。
5・限りない欲望/井上陽水
「井上陽水」「限りない欲望」ときたらまさしく桜井君に合いそうなテーマなんだけど、
それほどぴたっとはきていないような気がする。
井上陽水の歌は非常に難しいと思う。
人が歌うとすごい単調に聞こえてしまうメロディ、歌詞も、
彼が歌うとまったく聞こえ方が違ってしまう。
逆にそれだけくせがあるので、多くに人間に受け入れられるかという問題は出てくるが。
桜井君が歌うことによって「普通」に聞こえるというメリット・デメリットはある。
もっと狂って叫んで歌った方がいいような気がしないでもない。
6・マイ ホーム タウン/浜田省吾
これもすごく桜井君には合いそうなんだけど、いまいちはまりきれていない感じ。
というかこれも4曲目と一緒で、楽曲そのものが私にはどうもすっとこない。
直接的なメッセージがあるわりに、メロディに起伏がない。
玉置浩司なんかにこの曲を歌わせたらすごくはまるような気はするが。
飛ばしてしまうな。
7・糸/中島みゆき
いわずとしれた中島みゆきの名曲。
1曲目の「僕たちの将来」よりもこちらの方が桜井君のボーカルと合っている。
それにある程度、聞き慣れていることもあり、
この楽曲の素晴らしさからすると、ちょっと極論をいえば、
誰が歌っても素晴らしく聞こえるだろう。
それだけこの曲は歌い手に関係なく完成度が高い。
中島みゆきの原曲と聞き比べてみる。
やっぱりみゆきの方が圧倒的にいいな。
ただくせがあるので、平均化標準化したという意味と、
この素晴らしい曲の存在を知らしめたという意味での桜井君の功績はあるだろうけど。
8・HERO/Mr.Children
このカバーアルバムにミスチルの曲を入れるのはどうか。
非常に微妙だ。
下手をすると単なるバージョン違いかライブバージョンにしか聞こえない可能性があり、
このアルバムでやる意味がないからだ。
このことについては突っ込みも予想してか、アルバム歌詞カードの冒頭で、
桜井君がコメントをしているが、ミスチルファンの私でも、
「言い訳っぽいよなと方々から突っ込まれそうだ」という懸念がないわけではないが、
ここでは善意に受け取ろう。
ドラマティックさでいえば、ミスチルの「HERO」の方が断然いい。
ただ、小さなバンドで、小さなライブ会場で、
彼が自らの曲を歌うとしたら、このような曲にはなるだろう。
もっとアレンジや歌い方を変えてもよかったような気はする。
小田和正が歌ったように。
9・幸福のカノン/さねよしいさこ
同じ言葉が単調に続く歌なんだけど、結構はまってる。
ここまでシンプルな曲になると、逆にアルバムでの存在感という意味では非常に出てくる。
耳につく、というか。
ただ聞き込む、歌い込むという曲ではないような気がする。
こういう曲がアルバムに1曲あってもいいし、ほっとするのでいいとは思うけど、
多分、何度も聞きはしないような気がする。
10・優しい歌/Mr.Children
ミスチルカバー曲第2弾。
「HERO」のカバーよりうんといい。
まったくミスチルの曲とは違うからだ。
テンポがスローになり、丁寧に歌い上げる声がすっと入ってくるし。
ミスチル原曲とはまったく違うので逆にこのアルバムでやった意味がすごくあると思うし、
ミスチルファンでも聞きたいなと思う曲に仕上がっていると思う。
11・歓喜の歌/遠藤賢司
こんな曲が何曲かカバーされていたらよかったのだろうと思う。
桜井君のイメージと見事にあっている。
曲もいいし。
歌詞もすごくいいし。
非常にいいですよ。
ボーナストラック
12・僕と彼女と週末に/浜田省吾
歌詞カードにはまったく曲名は書かれておらず、存在も記されていないので、
12曲目があったことに驚いた。
しかもしかも驚くべきことに、ネットでいろいろ調べていたら、
買ったCDによってボーナストラックが違うというのだ。
なんでそんなばかげたことをしたんだろう。
そんなもの、誰ものぞんでない。
またまたネットでの勝手な無料楽曲流通を促進するだけじゃないか。
さて、この曲ですが、非常にいい。
浜田省吾の曲とは知らなかった。
桜井君自身がこのために作詞作曲したのかと思ったぐらい、見事にはまっている。
最後にふさわしい曲ではないかと思う。
ただちょっと歌詞がストレートすぎてくささも感じないでもないが。