とにかく「哀愁の町」ブダペシュトから来たおかげで、
チェコの首都プラハの人の多さに生き返った心地よさを覚えるとともに、
町を歩き、塔や丘からこの町を見渡してみると、
このプラハはヨーロッパの中でも圧倒的に美しい町といえると即座に思った。
「プラハは良さそうだな」と思っていたが、
その期待を裏切ることのない、否、想像以上に美しい町だった。
プラハのホテルに着くやいなや、
私は荷物を放り出して真っ先にカレル橋に向かった。
ガイドブックなどでよく見る、
カレル橋と川の向こうに見える王宮の景色をいち早く見たかったからだ。
迷路のような狭い路地が入り組む旧市街を抜けると、
そこには想像以上の素晴らしい景色が広がっていた。
最も眺めのよいポイントである旧市街側の塔に登り、
その頂上から眺める景色は、ため息がでるほどの美しかった。
「世界で最も美しい町」とその時に思った。
プラハの町は、城のある丘側と、
旧市街が広がる平地側とを川が分け隔てているという、
典型的なヨーロッパの町並みだ。
ブダペシュトと非常によく似た町構成だが、
川はドナウではない。ヴルタヴァ川だ。
その川を渡るのに実に見事で美しい石造りの橋が、
観光の中心でもあるカレル橋だ。
橋の旧市街側にある塔からの眺めを楽しんだ後、カレル橋を渡る際、
私はいつになく興奮した面持ちで、うきうきしてその橋を渡った。
すごいなー。素晴らしいな。
写真や本などで知っているカレル橋を今、自分が歩いてるんだなと、
旅行に来て実によかったと感じる最も素直な一ツーリストの感想を抱いていた。
カレル橋のいいところはまず車が通らないこと。歩行者だけだから、自分の足でゆっくり見て歩ける。
常に比較して申し訳ないのだが、ブダペシュトの鎖橋は渡らずはたから夜景だけを見ていれば、橋は美しいけど、
橋を渡る際は歩行者専用の歩道があるにせよ、脇をばんばん車が通るので、のんびりじっくり歩くという感じではない。
さらにカレル橋は石畳で、しかも橋の両側に20以上もの石像が立ち並んでいるので、その雰囲気は格別だ。
橋の柵も高いわけではないので、美しいプラハ城とゆったりと流れるヴルタヴァ川の流れを、
途中途中眺めながら渡れることも実に気持ちがいい。
ただ観光客はむちゃくちゃ多いし、観光相手の商売も多いことも確かだが、
音楽や人形使いのパフォーマンスが中心なので、それさえも楽しみになる。
このカレル橋を渡っている時こそが、まさにタイムスリップしたような感覚で、
この町の印象をすばらしくしているゆえんでもある。
この橋は世界で最も素晴らしい橋なんじゃないかんと思う。
久しぶりに自分がこれほど興奮して「いい町に来たなあ」と思える場所、
それがプラハだった。
ここはすごくいいです。おすすめの場所です。
個人的にはウイーンやブダペシュトなんかとセットではなく、このプラハのみを訪れてほしい感じはするが、
まあ比較の意味でも距離の近接感からいっても、三都を訪れることになってしまうのだろうけど。
でも無理にそうする必要はまったくないぐらい、プラハはいいです!!