・『エジプト旅行記〜人生の狭間の中で』 笠原崇寛著
僕がはじめて出版した本。
書いたのは大学4年の時で、今からもう3年が過ぎた。
書いた時にはこれほどの傑作はないと思ったが、はっきりいって今では全面書き換えたいぐらいだ。
「エジプト旅行記」といってもエジプトのことよりも自分のことばかりが書かれている。
自分を知っている人が読んだら多少の興味を持ってくれるのかもしれないが、
僕を知らない一般の人が手にとって読んでくれるかといったらやっぱり無理だろう。
あの薄さで1100円は高すぎる。
今ならもっとおもしろいものに書きかえることができるのに、と思うのだ。
しかし逆に今、本に出てくるような文章は絶対に書けないと思う。
特に詩の部分。今じゃ良くも悪くも絶対あんな詩は書けない。
言葉少なに、自分の心境を詩に託す。自分のその当時の気持ちがあの詩の部分の中に言い表されている。
そういう意味ではこの作品を出したということは大きいと思う。
青春期特有の揺れ動く心境がよく描かれている。
必ず人にはそういう心境になる時期があるのだと思う。
ネパールで出会ったともこちゃんのインド旅エッセイ
なんかを見ると、ほんとエジプト旅行記の時の僕の心境と似ているなと思う。
青春というか思春期というか、まだ自分が何をしていいのかわからない若者の心理というか。
あの時代があったからこそ今の自分があるわけで、あの時代の作品があったからこそ、今の自分の作品があるわけで、
そう考えると、全面書き換えたいと思う反面、あれはあれでいいのだと思うのだ。
ということで著者自身の著書書評ということもでちょっと甘い評価かもしれないが、ちょうど基準の偏差値50とした。